景品表示法第5条は、広告・販売促進における「虚偽・誇大表示」を禁止しています。広告代理店は、広告主の依頼であっても、実際の性能・効果・価格・条件を誤認させる表現を行えば、共犯的責任を問われることがあります。
最終更新:2025-11-2
1. 優良誤認と有利誤認の違い
優良誤認とは、商品やサービスの品質・内容・性能などを実際よりも著しく優れていると誤解させる表示をいいます。
一方、有利誤認は、価格や条件を実際より有利に見せる表示を指します。
2. 行政処分の事例
- 「業界最安値」など根拠のない価格訴求
- 「必ず成果が出る」などの効果保証
- 「限定キャンペーン」と称し、常時実施している値引き
これらはすべて景品表示法第5条に抵触するおそれがあり、違反が認定されると課徴金納付命令(売上高の3%相当)や公表処分の対象になります。
3. 広告代理店の法的責任
広告代理店が、クライアントに代わって誇大表示を企画・制作した場合、共同責任(景表法第6条)を問われる可能性があります。
制作段階で根拠資料の確認・証拠保存を行うことが、法的リスクを回避する唯一の方法です。
4. 消費者への誤認を防ぐために
「根拠のない断定」「比較広告」「期間限定キャンペーン」などの表現を使う場合は、必ず裏付け資料を保管し、内部審査を経て公開することが望まれます。
5.よくある質問
Q. 「No.1」や「最安値」表現は使ってはいけませんか?
A. 客観的な根拠資料があり、最新データに基づく場合のみ許容されます。根拠の提示ができない場合は優良誤認の可能性があります。
Q. 広告代理店にも罰則がありますか?
A. はい。景品表示法第6条により、実質的に広告を制作・提案した代理店も行政処分や課徴金の対象となります。
まとめ
景品表示法第5条は、広告主だけでなく代理店にも直接適用されます。誇大・虚偽表示はブランド価値を毀損し、課徴金・行政指導のリスクがあります。
広告の自由よりも、まず法令遵守を優先することが信頼獲得の第一歩です。
