ネット広告代理店を乗り換えるときは、次の依頼先を選ぶだけでなく、広告アカウント、計測データ、支払い、制作物の引き継ぎを整理することが大切です。配信を続けながら切り替える場合は、旧代理店と新代理店の担当期間を明確にしましょう。
本ページでは、株式会社しごとウェブ編集部が、変更前の確認事項と切り替え手順を整理します。実際の引き継ぎ条件は契約内容や広告媒体によって異なります。
1. 乗り換える理由と改善したいことを整理する
成果が伸びない、報告が分かりにくい、提案が少ない、費用の内訳が不明など、現在の課題を具体的に書き出します。短期間の数値だけで判断せず、計測の不具合、商品・価格、季節要因、LPなども含めて確認しましょう。
- 成果の課題:問い合わせ件数だけでなく、商談・購入・利益につながっているか。
- 運用の課題:何を変更したか、次に何を改善するかが説明されているか。
- 体制の課題:担当者への連絡、提案、承認の流れに問題がないか。
- 費用の課題:媒体費と手数料、制作費などの内訳が分かるか。
現代理店に改善を依頼して解決できることと、別の体制が必要なことを分けておくと、新代理店にも期待する役割を伝えやすくなります。
2. 解約・変更前に確認する契約条件
契約書・申込書・約款などで、契約期間、自動更新、解約通知の期限、残期間の費用、精算方法を確認します。LPやツールなど別契約のサービスがある場合は、広告運用の契約と分けて確認してください。
変更の連絡は、終了日、配信の扱い、引き継ぎ資料、請求の締め日を含め、後から確認できる文書で行います。解約の可否や精算に争いがある場合は、契約資料を整理して専門家に相談してください。
3. 引き継ぐ情報のチェックリスト
| 対象 | 確認する情報 | 注意点 |
|---|---|---|
| 広告アカウント | 媒体、ID、管理者、閲覧・編集権限 | 既存アカウントを継続できるか確認する |
| 支払い | 請求先、決済方法、未払い・前払い残高 | 管理リンク変更とは別に支払い設定を確認する |
| 計測 | GA4、タグ管理、コンバージョン設定、媒体連携 | ID・イベント・重複計測の有無を確認する |
| 広告設定 | 予算、配信地域、入札、除外条件、広告素材 | 継続する設定と変更する設定を分ける |
| 運用記録 | 過去レポート、変更履歴、検証結果、課題 | 指標の定義と集計期間も引き継ぐ |
| 制作物 | LP、画像、動画、原稿、素材・編集データ | 利用権・著作権・編集可否を契約で確認する |
| 関連サービス | ドメイン、サーバー、商品フィード、外部ツール | 広告契約終了と同時に利用できなくならないか確認する |
パスワードの共有だけで引き継ごうとせず、各サービスのユーザー招待や管理権限の設定を使い、必要な人に必要な権限を付与します。過去の実績はアクセスできるうちに保存し、個人情報や機密情報の共有範囲も確認してください。
4. Google 広告・GA4の確認事項
Google 広告では、既存アカウントをMCCアカウントへリンクしても履歴はそのまま残り、MCCとのリンク解除だけで広告アカウントの履歴が失われるわけではありません。ただし、請求設定、共有されている計測やオーディエンスなどへの影響は、解除前に確認する必要があります。
参照元:https://support.google.com/google-ads/answer/7456530?hl=ja
https://support.google.com/google-ads/answer/7458428?hl=ja
GA4は広告アカウントとは別に、アクセス権限とリンク設定を確認します。新代理店が分析・設定に必要な権限を持っているか、自社でも管理できる担当者がいるかを確認してください。
参照元:https://support.google.com/analytics/answer/12419638?hl=ja-JP
5. 乗り換えの進め方
- 現状を整理する:課題、予算、成果指標、契約、管理権限を一覧にする。
- 新代理店を比較する:同じ課題と資料を提示し、改善案・費用・体制を確認する。
- 引き継ぎ条件を合意する:旧代理店・新代理店・自社の担当作業と期限を決める。
- 設定を点検する:権限、支払い、計測、配信設定、制作物の利用条件を確認する。
- 切り替える:運用担当が変わる日時を決め、予算や設定の同時変更を防ぐ。
- 切り替え後に確認する:広告配信、支払い、成果計測、レポートが正常か確認し、不要になった旧担当者の権限を整理する。
必要な日数は契約と引き継ぎ範囲によって変わります。日程を先に固定するより、権限・データ・支払い・制作物の確認に必要な期間を見積もりましょう。
6. 切り替え後の成果を比較する方法
変更前後で、成果地点、計測方法、予算、媒体、季節性が異なると、単純な比較が難しくなります。乗り換え時点の設定と指標を記録し、変更した施策とその影響を分けて確認しましょう。
広告管理画面の成果件数だけでなく、実際の商談や購入の質も共有します。評価する期間と報告の頻度を新代理店と決め、短期の変動だけで結論を出さずに検証してください。
新しい依頼先は、ネット広告代理店一覧で所在地・対応サービスを確認し、改善したい課題に合う会社を比較できます。
よくある質問
Q. 代理店を乗り換えると広告アカウントは作り直しですか?
A. 必ずしも作り直す必要はありません。既存アカウントを継続できるかは、管理権限、契約、媒体の仕様などによって異なります。新規作成を決める前に、現代理店・新代理店と引き継ぎ条件を確認してください。
Q. 代理店の変更で過去のデータは消えますか?
A. Google 広告では、MCCとのリンク解除だけで広告アカウントの履歴が失われるわけではありません。ただし、支払い、計測、共有機能などへの影響は別途確認が必要です。別のアカウントを新規作成した場合に履歴がそのまま移るとは限りません。
Q. 乗り換え先を決める前に解約してもよいですか?
A. 契約上の通知期限を確認したうえで、引き継ぎ先、必要な権限、配信と支払いの切り替え方法を先に整理すると進めやすくなります。日程を決めずに管理権限や請求設定を解除することは避けましょう。