掲載会社数:251 コメント数:178 最終更新日:

ネット広告代理店の契約トラブル事例集

ネット広告代理店との契約に関するトラブルは年々増加しています。
料金体系や運用内容が不透明なまま契約してしまうと、解約や返金などでトラブルに発展することがあります。
ここでは、実際に寄せられた事例や傾向をもとに、代表的なケースと対策をまとめました。

1. 成果が出ないのに費用だけが発生するケース

事例: 「月額◯万円の運用費を支払っていたが、クリックや問い合わせが増えず、成果報告もあいまいだった。」
原因: キャンペーン設計やキーワード選定が不適切なまま放置されていた。
対策: 契約前に運用方針書(KPI設定・改善方法・レポート頻度)を確認する。
管理画面を共有してもらい、実際の入札状況やコンバージョン設定を常に確認できる体制を整える。

2. 「最低契約期間」が長く、途中解約できないケース

事例: 「6か月契約と説明されたが、実際には12か月の自動更新契約になっていた。」
原因: 契約書に“自動更新”や“途中解約不可”の条項が細かく記載されていた。
対策: 契約書を必ず全文確認し、不明点は書面で質問する。
特定商取引法 第11条(誇大広告等の禁止)、第12条(表示義務)にもとづき、誤解を招く契約条件は無効とされる可能性がある。

3. 「LP無料制作」を理由に高額な請求を受けるケース

事例: 「LP無料と聞いて契約したが、実際には運用費や広告費に制作料が上乗せされていた。」
原因: “無料”の根拠を契約書や見積書に明記していなかった。
対策: “無料”や“格安”という表現には景品表示法 第5条(不当な表示の禁止)が適用される。
無料条件の根拠と期間を必ず明示してもらう。

4. 成果保証をうたった契約トラブル

事例: 「“必ず売上が上がる”“問い合わせ数◯件保証”という言葉を信じて契約したが、実現されなかった。」
原因: 広告成果の保証は原則として行えず、誇大広告と見なされる可能性が高い。
対策: 契約書や提案書に「保証」などの断定的文言がある場合は、消費者契約法 第4条(不実告知・断定的判断の提供)を確認する。
実績データの開示や根拠資料を求めることが重要。

5. データやアカウントを引き渡してもらえないケース

事例: 「解約後、広告アカウントやアクセス解析データを引き渡してもらえなかった。」
原因: 契約時にデータの所有権や引き渡し条件を明確にしていなかった。
対策: 契約書に「データ・アカウントは広告主所有とする」旨を明記する。
下請法 第4条(不当な取引行為の禁止)にもとづき、合理的理由のない引き渡し拒否は不当行為に該当する可能性がある。

6. コミュニケーション・報告の不備

事例: 「担当者と連絡が取れない」「レポートが遅い」「説明が不十分」などの不満が多い。
原因: 契約内容に報告頻度や方法が定められていない。
対策: 契約前に報告体制(週次・月次・ミーティング方法)を明確にしておく。
実務担当者の所属・経験・対応時間を確認することも大切。

7. 返金・解約をめぐるトラブル

事例: 「広告費の残額が返金されない」「途中解約なのに全額請求された。」
原因: 返金ポリシーが明文化されていなかった。
対策: 特定商取引法 第12条(表示義務)により、料金・返金条件は広告・契約書に明示する必要がある。
不当な請求がある場合は、消費者庁や都道府県の消費生活センターに相談する。

8. トラブルを防ぐためのチェックリスト

  • □ 契約書・見積書・提案書をすべて保存しているか
  • □ 管理画面・レポートを毎月確認しているか
  • □ 返金・途中解約の条件を理解しているか
  • □ 法令遵守・ガイドラインを明記した代理店か
  • □ 広告主側も改善提案・内容確認に参加しているか

9. 相談・通報先

不当な契約や勧誘に疑問を感じた場合は、次の機関に相談してください。

  • 消費者ホットライン: 188(局番なし)
  • 消費者庁・公正取引委員会: 不当表示・取引に関する通報窓口
  • 厚生労働省(有料職業紹介事業監督): 不正勧誘・違法紹介業者の報告

監修:株式会社しごとウェブ 編集部
公開日:2025年10月25日